遊牧写民

心に残った日常を一枚の写真に

人を入れる

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Rollei35B

以前は、

「あ、キレイだな。」

「光が素敵だな。」

と思えば、何気ない日常の光景を写真にしていた。

 

それはそれでよかったのだけど、

ともすると、単なる絵葉書的な写真になりがちだった。

 

そういう写真を撮りためていって、

次第に、

「ああ、人が入っていたほうが良いな。」

と思うようになった。

 

写真の中に、人がひとり入るだけで、

そこにドラマ性が生まれることに気がついた。

 

 

ただ、これがなかなか難しい。

思った位置に、思ったアングルで

見知らぬ人を画面上に配置するのは、

余程計算した上で、その「時」を待たねばならない。

または、

「!」

と思った瞬間にシャッターを切ることができる技量が必要。

 

あるいは逆に声をかけて、

「その人」の写真を撮る方向性に切り替えるか。

 

 

その両方をうまくできるのが

ハービー山口さんだと思う。

 

ハービーさんの写真は、

よくこんな瞬間を・・・!

と思うものもあれば、

被写体の人物の人柄が

にじみ出てこちらに伝わってくるような写真もある。

そして、殆どが、

その写真を見ているこちらの心が優しくなるような写真ばかり。

 

また、なんと言ってもプリントのクオリティがめちゃくちゃ高い。

モノクロのトーンがそりゃあもう、美しい。

写真集を見るたびに、いろいろな感動がある。

尊敬する写真家だ。

 

 

そんなハービーさんに近づきたくて、

シャッターを押す自分もいる。

及ばないどころか、

そんな大写真家の名前を出すのさえおこがましいのだけど、

自分の中の憧れだ。