映像も見るけど、どちらかというと文字の方が好きだ。
例えば、読んでイメージを広げる素晴らしさが文にはある。
詩や文章からその情景やその向こうにあるであろう人の思いを
イメージすることに惹きつけられる。
ネットを見る時間が数年前よりもかなり増えたが、
やはり映像よりも文章を追っていることの方が多い。
だが、自分の子供達を見ると、圧倒的に文章よりも映像らしい。
それはやはり育ちの段階での環境によるものが大きいのかもしれない。
自分たちの時代はTV映像が徐々に幅を利かせ始めていたが、
それでも今の子のように手の平の上で気軽に見られるものではなかった。
親からの制限もあったし、制限を効かせやすい環境でもあった。
時間があるときは嫌でも本を読むしかなかった。
今の子は、文章の向こうに広がるイマジネーションの素晴らしさを
知らない子が多いのかもしれない。
勿体ない事だと思う。
一つのページに書かれている文章を同じように読んでも、
感動できる人と
その文章がただ流れていってしまう人がいるということだ。
ただ、もう一つの要素として
その人の人生における経験の有無も大きい。
人生を長く生きてきて、色々な立場に立って考えられることも
実際、大事な要素かもしれない。
疑似体験がなかったら、
文章を読んでも感情移入はできないのだから。
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今日たまたま読んだ雑誌に載っていたコラムが秀逸だった。
たんたんと静かに流れていく文章だったが、
情景がありありと浮かだ。
そこには、「悲しい」も「嬉しい」も
書かれていなかったが、
文中にある人たちの思いが静かに自分の中に伝わり、
泣けてしまった。
気づかずにページをめくってしまっていたら、
こんな素晴らしい文章には出会えなかった。
あらためて、文章の持つ力を認識した
朝のひとときだった。