遊牧写民

心に残った日常を一枚の写真に

人は群れないと生きていけないのか

FUJI XF10

先日誕生日を迎えて

いよいよ60代にまっしぐらという感じの56歳。

まだまだ先の話だが、

退職後の生活というものを考えるようになってきた。

 

ネットの記事などを読んでいると、

今のうちから社会的な居場所を作っておきなさいよ、

という記事が多い。

 

退職したら

奥さんにはお荷物扱いをされて

家には居場所がなく、

かといって外へ出ても

ご近所付き合いをしてこなかったから

全く居場所がない男性が世の中には多い、って話。

 

確かに、振り返ると

自分はお付き合いをしている人が極端に少ない。

Tお師匠とは20年来のお付き合いをしていただいているが、

自分的には本当に希な例だ。

 

 

実際、もっと交流を広げた方が良いのかなあ・・・

と思う事も時々あるんだが、

無理に人と交流しようとすると疲れてしまう。

 

知らない人が大勢いる中で

誰かに話しかけなければいけないとか、

フィーリングが合わない人と

話をしなければいけない場とか、

苦痛でしかない。

 

職場というのは、

同僚との関係性が作られることが

前提となっている場なので苦痛では無いが、

プライベートやそれ以外の場で

0から関係を作っていくことは

結構、重荷に感じ、

若い頃からずっと悩みの種でもあった。

 

なので、最近はそんな自分を受け入れ、

無理に人と交わる必要はないと思うようになった。

そんな自分なので、

ネットの記事を読む度に

「自分はこうなるんだろうか・・・。」

って思う。

 

 

だが先日、全く方向性の違う記事を読んだ。

ノルウェーとかフィンランド(だったかな)では、

周りに家が無いところに住んでいて、

人と会うのが数ヶ月に1度という人達がいる。

 

その人たちに孤独かと問うと、

そんなことは無いらしい。

むしろ、

自然と共に日々暮らせることを幸せに感じているので、

寂しいとか、孤独を感じたりとかということは

無いとのこと。

 

 

この記事を読んで、少し安心した。

何故なら、自分も自然の中に身を置くことが好きで、

幸せを感じる質だから。

 

 

話が少し飛ぶが、

いつも行く森でほぼ毎回、遭遇するおじさんがいる。

土日でも、平日でも。

いつも同じ場所に車を停めていて、

何をするでも無く、車の中にいるか、

外で景色を見ているかしている。

どうも1日いるらしい。

 

家内はおじさんを見かけると、

「おじさん、かわいそう。

 家に居場所が無いのかな。」

と言う。

 

 

自分はちょっと見方が違っていて、

きっと好きで来ているんじゃないかな、

って思ってる。

(もしそうなら、おじさんは同類。同胞だ笑。)

 

自分の想像が正しければ、

その有り様に生産性は無いし、

恐らく多くの人がそれを賛同しないだろう。

そして、何が楽しいんだ?と。

 

だが、自分から見たら、

おじさん、何て幸せなの!

何て素敵な時間を過ごしているのだろう!

と思う。

 

 

そこには人との交わりも行き交う声も無く、

世の中のための何かを作り出してもいないし、

人のためになることは何もしていない。

社会性として考えればその存在は無だ。

 

でも、

静かに移ろいゆく自然の変化や様子を眺め

1日が過ぎていく。

そして自分もまた自然の一部であることに

穏やかな喜びを感じて

そこに身を置いているんじゃないかな

・・・って勝手に想像してる。

 

 

 

ここまで書いてきて、

何となく納得できている自分がいる。

いいじゃん、それで。

 

ノルウェーと日本との社会環境の違いは有るだろうし、

おじさんの本当のところは分からない。

でも、

生き方に正解はないし、

自分が幸せを感じられる生き方をすれば

良いんじゃないか。

 

その結果がどうなのかは分からないけど、

でもそれが自分の人生なのだろう。

自分で納得して生きていければ、それで。